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中島 伸也; 高橋 博樹; 楠 剛; 三友 信夫
JAERI-Tech 2005-057, 54 Pages, 2005/09
大都市の消費エネルギーの内訳は、冷房・暖房・給湯等が中心であり、比較的低質なエネルギーで供給可能であることから、大深度地下を利用した地域熱供給用原子力システムの可能性を検討した。都市の抱える社会構造,環境問題等を社会受容性の視点から調査,検討しシステムの要求事項をまとめた。このようなシステムの熱源規模を算定するために、人口10万人の仮想都市を設定し、熱出力100MWt(MR-100G)2基が必要であること,システムは約40年間の運転後もその規模は過不足なく有効に機能することを明らかにした。日本の大都市は河川の比較的軟弱な堆積地に開かれた場合が多いため、原子炉を設置できる地下空洞建設の可能性について地震時の空洞挙動等を検討し、軟弱地盤での技術的成立性を確認した。さらに、天然ガスボイラーによるシステムとの経済性比較を行い、長期運転の場合には小型原子炉システムの方が優れていることを明らかにした。
中島 伸也; 楠 剛; 小田野 直光; 落合 政昭
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.225 - 228, 2000/00
21世紀のエネルギー、中でも今後増大化が予想されている民生用の冷房、暖房、給湯のエネルギー源として、超小型原子炉による熱供給システムについて提案した。この原子炉は社会的受容性に高いものが要求され、その要件をまとめるとともに、具体的に、地域熱供給用には熱出力100MWt、それを補完するオフィスビルの地下に設置する1MWtの2種類について言及した。いづれも出口温は233、自然循環方式の一体型であり、制御棒駆動装置も内装型を採用し、動的機器、配管類を極力排除したきわめて信頼性の高い受動安全炉となっている。100MWtの炉は都市の大深度地下に空洞を造りそこに設置する。そのため、万が一の事故時においても住民が避難する必要がないよう設計されている。炉心は8年間の長期燃焼を目標とし、経済性にも配慮した原子炉となっている。